流水文様の衣裳/王家の宝剣Ⅱ・北谷菜切
展覧会情報
開催期間
2021年8月6日 〜 2021年9月1日 まで
概要
8月の美術工芸資料は、染織資料は尚家資料から『流水文様の衣裳』をご紹介します。今回展示している紅型衣裳は、紅型の文様が型紙単位でリピートするという特徴を生かし、流水(りゅうすい)文様(もんよう)が左右対称になるように染めたのち、模様がつながるように縫製し、背中一面に水が流れているかのような動きを生み出しています。
実際に使われている型紙は1枚にもかかわらず、染(そめ)と縫製(ほうせい)の工夫によりダイナミックな動きが展開され、細部まで計算された構成となっています。
また7月から9月にかけて、『王家の宝剣』と題し、毎月月替わりで尚家に伝来する刀剣を1口ずつ公開します。
8月にご紹介する「青貝微塵塗腰刀拵(号 北谷菜切)」には北谷地域に伝わる“妖刀ナーチリー”の説話があります。ある日北谷の農婦が包丁を振ると触れてもいないのに側にいた赤子の首が落ちて殺人の嫌疑を掛けられます。そこで取調べの役人が同様に包丁を振ってみたところ側にいた山羊の首が落ち、無罪放免となりました。その包丁を研ぎなおして刀にしたものが北谷菜切であるといわれています。
刀剣3口は、昨年度は新型コロナウィルス感染拡大により公開中止となったため、2年ぶりの公開です。なお、次年度は他館へ貸し出す予定があるため、当館での展示はありません。次回の当館での公開は令和5年度となります。
文書資料は、『伊江御殿家資料』と題し、一昨年に国指定重要文化財となった伊江御殿家資料から、辞令書、履歴などの古文書と書跡をご紹介します。
伊江御殿家は琉球王家の血筋を引く上級士族で、王国時代は摂政など首里王府の重職を務めた名家です。
伊江家伝来の文書・記録類は、家譜、職歴関係記録や辞令書、生子証文(出生届)、口上覚など多岐にわたり、当時の上級士族の生活の一端を垣間見ることができるたいへん貴重な資料群です。
中でも、今回展示している「首里之詔(辞令書)」は、地頭職などの重要な役職に任命された際に王府から下された格の高い文書で、王府の印である「首里之印」が2か所に押されています。伊江御殿家にはこの「首里之詔」が25通も伝来しており、いかに王府の重職を担っていたかをうかがい知ることができます。
王国時代の貴重な記録と、精緻な美術工芸品をどうぞご覧ください。
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