かなの美展日本の四季を愛でる第1期中世歌人を中心に

展覧会情報

かなの美展日本の四季を愛でる第1期中世歌人を中心に
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開催期間

2021年4月17日 〜 2021年7月4日 まで

概要

 書家・熊谷恒子(1893~1986)は、日本の四季を好み、藤原定家を筆頭に中世の歌人の詩歌を題材に、書を制作しました。恒子は、「藤原定家歌集」を第6回泰東書道院展に出品し、特選を受賞しました。本作品を制作するにあたり、恒子は「定家の歌集より好ましい和歌を百首ばかり抜いて、日々書いて居た」と述べるように、何度も練習していました。藤原定家は、平安末期から鎌倉初期の歌人で、後鳥羽院勅令による勅撰和歌集『新古今和歌集』の選者の一人です。『新古今和歌集』は、鎌倉幕府成立以降、貴族社会が衰退する中で、西行や鴨長明の和歌が選ばれました。  

 本展では、恒子がかなで書いた「藤原定家歌集」の《いづる日の》(1936年頃)の他に、藤原忠通が出家する際に、藤原彰子に春から夏へ衣替えの装束を差し上げた心情を詠んだ《から衣》(制作年不詳)や、西行が摂津の春景色から一変してしまった冬の荒野を嘆く《つのくにの》(1965年)など、『新古今和歌集』の和歌を書いた恒子の作品を展示します。また、出家した西行が山里での生活を詠んだ《山寺の》(1970年)や、晩年に隠棲した鴨長明が世間の無常観を書き記した随筆『方丈記』の冒頭《ゆくかはの》(1975年)など、恒子の書による、日本の四季に合わせて中世歌人が詠んだ哀愁のある詩歌をご堪能ください。
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