歳三と竜馬はどこですれ違ったか——。『燃えよ剣』と『竜馬がゆく』
展覧会情報
開催期間
2020年9月15日 〜 2021年3月14日 まで
概要
幕末の動乱期、お互いに立場の違う道を歩んだ新選組副長、土方歳三と土佐の坂本竜馬は司馬作品の中ですれ違っている、どこなのか、ということからこの企画展は始まりました。この2人には共通点があって1835(天保6)年生まれの同い年、しかも、それぞれを主人公にした『燃えよ剣』と『竜馬がゆく』は同じ年の1962(昭和37)年に、週刊文春と産経新聞に連載されました。
企画展ではこの2人の行動を追い、エピソードを拾うことで、それぞれの言動と時代への影響を考えることにしました。2人の主な活動の地になった京都の地図を中心に、歴史と小説の出来事を重ねた大きな年表を掲示。また、小説から2人の言葉で構成した「歳三語録」「竜馬語録」も掲示し、主人公のイメージが伝わるようにしました。
展示は今回のテーマであるすれ違いの場面が描かれた『竜馬がゆく』「片袖」の章の自筆原稿(寄贈を受けたもので初公開)▽取材ノートの一部▽『官版 万国公法』(『竜馬がゆく』にある逸話。竜馬が土佐の同志に長刀より小刀、次はピストル、三度目には「これだよ」と出したのが万国公法。初公開)▽『歩兵心得』(オランダ陸軍のものを翻訳した幕府の歩兵操典。『燃えよ剣』で土方が夢中になって読んでいた。初公開)などを展示し、2つの小説と2人の主人公を記念館のなかで浮かび上がらせます。