所蔵日本画展墨色との語らい
展覧会情報
開催期間
2021年4月3日 〜 2021年7月4日 まで
概要
白い画面に墨一色で描かれた水墨画は、色彩豊かな絵画と比較すると地味で面白みに欠けると思う方も多いと思います。しかし中国では古くより「墨は五彩を兼ねる」という言葉があるように、薄墨や濃墨との対比や融合、さらに筆触の強弱で極彩色の着色画に劣らない強い印象を与えるものもあります。本展では「墨線による表現」「にじみなど面的表現」「墨色中心の日本画」という構成で水墨画を中心に、墨彩画や水墨技法を用いた着色画もご覧いただきます。
小林古径の《宗達》は緊張感ある美しい墨線による白描画ですが、小川芋銭の一双《羅漢 龍虎》は太く伸びやかな線で遊び心に満ちています。また東西日本画の巨匠・横山大観と竹内栖鳳は水墨画にも積極的に取り組み、両者による墨のにじみを生かした味わい深い山水画や、洋画から転向し印象派を思わせる水墨画により新境地を開いた近藤浩一路、渇筆により枯淡な味わいのある小杉放菴などの水墨作品のほか、淡彩やたらしこみが施された日本画を展示します。
墨線の強弱や筆のかすれ、濃淡やぼかし、にじみによって画面に広がる多彩な墨色との対話をお楽しみください。