コレクションの礎(前期)

展覧会情報

コレクションの礎(前期)
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開催期間

2021年8月28日 〜 2021年10月24日 まで

概要

 多摩信用金庫(たましん)が、多摩地域の芸術・文化の向上を目的とした活動に力を入れ始めたのは、創業40周年を迎えた昭和48年前後までさかのぼります。この節目を記念して、たましんは、後に「たましんギャラリー」の名で親しまれるようになる「たましん展示室」を、本店内に開設しました(昭和49年)。当時、まだ多摩地域には公立の美術館というものが一館も無かったことを思えば、これは大きな決断であったと言えます。この決断を強く後押ししたのが、長らく多摩を拠点として活躍していた洋画家の倉田三郎、日本画家の佐藤多持、彫刻家の関頑亭の三人でした。


 多摩には、作家たちが堂々と展示を行うことのできるギャラリーや美術館が無い。多摩で制作に励む数多くの作家たちに発表の場を与えてほしい、という三人からの切実な訴えを受け、「たましんギャラリー」、さらに昭和62年に国立に「たましん美術サロン」(現在の「たましん歴史・美術館」)が開設されたのです。

地域に根差した金融機関の責務として、積極的に文化貢献事業を行おうとするたましんの姿勢に賛同した三人は、率先してギャラリーに自作を出品し、さらにまとまった数の作品を寄贈するという形で、たましんの文化事業を援助しました。


 たましんはまとまった美術品コレクションを有する全国でも稀な信用金庫ですが、このコレクションの成立も、三人の存在なくしては語れません。三人の作品を所蔵しているのは勿論のこと、三人と交流のある作家や、三人に師事した作家たちが、こぞってギャラリーで個展や団体展を行った結果、多摩で活動する主要な作家たちの作品が、軒並み〈たましんコレクション〉に集結する形となったのです。


 本展では、このように〈たましんコレクション〉の成立に強い影響を与え、また、たましんの文化事業を力強く応援し続けた、倉田三郎、佐藤多持、関頑亭三人の作品をあらためてご紹介します。国内外を旅し、その土地に生きる人々の姿を穏やかな風景の中に描きこんだ倉田三郎。水芭蕉というモチーフに世界の真理を見出し、唯一無二の画境に達した佐藤多持。仏に対する篤い信仰心を、時に厳しく、時に優しい形で彫り表した関頑亭。三者三様、強い個性と独自の哲学をもって制作された作品の数々をお楽しみください。
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