柚木玉邨・久太・祥吉郎—柚木家三代の絵画と精神(エスプリ)
展覧会情報
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開催期間
2021年6月22日 〜 2021年8月29日 まで
概要
穏やかな瀬戸内海に注ぐ高梁川の河口に江戸時代より干拓された玉島は、高瀬舟や北前船が数多く出入りするなど備中の玄関口として栄えた港町です。この地で、江戸中期頃より備中松山藩主に代々諸役として仕えた庄屋で、奉行格の待遇を受けていたのが柚木家です。柚木家からは諸芸に秀でた人物が多く出ましたが、本展で紹介するのは柚木玉邨・久太・祥吉郎の三代です。柚木玉邨(1865-1943)は、実業面で活躍するかたわら流麗な水墨画を描いて詩書に通じた南画家で、その息子の柚木久太(1885-1970)は、フランスに渡って研鑽を積み、帰国後は官展系の美術展に出品し続けて清涼な風景画を遺した洋画家です。また、久太の長男の柚木祥吉郎(1919-2005)は、人物のいる幻想的な風景画を描いた洋画家です。
本展では、柚木久太の初期から晩年にかけての風景画を中心に、父・玉邨の南画と子・祥吉郎の油彩画を一堂に展示することによって、それぞれの画業を明らかにしつつ、時代を超えた柚木家三代に通底する精神を、玉島の文化的背景を踏まえながら紐解きます。