パリ燃ゆ200年目の節目—水俣展—

展覧会情報

パリ燃ゆ200年目の節目—水俣展—

開催期間

2021年4月16日 〜 2021年7月14日 まで

概要

 桑原史成写真美術館の今回の展示は「パリ燃ゆ200年目の節目-水俣展-」を展示します。

 フランス革命には、特定の日は無い。1789年から1799年の10年間が激動の革命期とされる。この頃、日本では浅間山噴火(1783年、天明3年)に続いて天明飢饉が起きていた時代である。鳥羽・伏見の戦い、徳川幕府の終焉、それに戊辰戦争は、この時から更に70年余の後のことである。 
 実は、1996年にフランスのパリに本社をおく邦字新聞の「オブニー」からの招聘で写真家の芥川仁君と共に、写真展『水俣』をパリで開催した。会場は「オブニー」新聞社の社屋内のギャラリーで規模は大きくない。それでも2人で100点余は展示したと記憶する。
 邦字新聞「オブニー」の社主はフランス人だが、その夫人が日本人の小沢君江さん(編集長)である事から実施された企画である。僕たちが滞在している時、「日本の公害『水俣病』」と題してシンポジウムが開かれ、パリ在住の邦人をはじめフランスの記者、日本からの特派員記者たち数十名が聴講してくれた。
 開催の時期が5月のメーデーの頃で、パリはフランス革命から200年の節目で街頭デモが実施されたのである。僕と芥川仁君は物見遊山の気分で、言わば歴史の“祝賀デモ”を記録・撮影した。また2年後の1998年にも渡仏する機会があって11月の第3土曜日に始まるワインのボージォレ・ヌーボー(解禁)に遭遇して撮影した。併せて展示する。
 日本が自ら変革を求めた激動の明治維新は1868年(明治元年)である。徳川幕府が実質的に瓦解したのは前の年の1867年に大政奉還(朝廷に政権を還す)で260年余続いた徳川幕府は終焉した。1868年には鳥羽伏見の戦いから戊辰戦争が始まったのである。いま、NHKの大河ドラマ『青天を衝け』で登場する渋沢栄一は、1867年に巴里万博に向けて出港し、徳川幕府の崩壊を翌年(1868年)にパリで知る。フランス革命から、ざっと70年後の事である。
 フランス革命は、黒船来航、つまりペリー(アメリカ使節団)の江戸湾への来航(1853年)時から遡っても50数年前の歴史である。一言で皇帝(王室)の絶大な権力と富に対する平民(農民)との闘争であった。と言ってよかろう。最後の皇帝・ルイ16世が処刑されたのは1792年である。続いて38歳の王妃のマリー・アントワネットも翌年の1793年に処刑された。後年になって演劇で公演される『ベルサイユ(宮殿)のばら』は、日本では宝塚劇団で1970年代から幾度も公開されて来ているヒット作である。悲劇のヒロイン、マリー・アントワネット王妃は美しく誇り高い女性であった、と伝えられる。この壮絶な汗と血の歴史を辿ったフランス革命を、多くの人が“パリ燃ゆ”と言っていることから、僕は表題に借用した次第である。                                 
                                    報道写真家 桑原史成
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