玉水焼三代
展覧会情報
開催期間
2021年5月15日 〜 2021年8月22日 まで
概要
玉水焼は樂家四代一入の庶子・一元(1662?~1722)が山城国玉水村(現在の京都府綴喜郡井手町玉水)において開いた楽焼窯です。開窯は元禄年間と考えられています。楽焼窯は、加賀・大樋焼をはじめとする脇窯が、時代の経過と共に各地で開窯、その中で玉水焼は唯一、樂家の血筋を受けた窯です。しかし、一元のあと継いだ長男一空は若くして亡くなり、次男任土斎が三代を継ぎましたが、任土斎は結婚をせず、従って一入から繋がる樂家の血筋は三代で絶えてしまいます。その後は一元の時から手伝いをした伊縫家甚兵衛(楽翁)が四代を継ぎ、八代まで数えましたが明治に入って廃窯となりました。玉水焼の歴史は不明な部分が多く、特に楽翁以後の「後・玉水焼」では取り上げるべき内容も乏しく、作者の確定も難しい状況です。従って本展では、「後・玉水焼」はひとまず置き、一元から三代任土斎までをとらえて、「玉水焼 三代」として開催致します。玉水焼を取り上げるのは本展が初めてとなる画期的な意味を持つ展覧会です。またこの展覧会に向け、『玉水焼 −歴代の作品とその歴史−』を刊行致します。玉水焼の歴史を考察し、作品と共に印、箱書なども掲載、さらに新資料なども踏まえた玉水焼の定本となる一冊です。