赤木清士コレクション古伊万里に魅せられて—江戸から明治へ—

展覧会情報

赤木清士コレクション古伊万里に魅せられて—江戸から明治へ—
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開催期間

2021年6月12日 〜 2021年8月29日 まで

概要

 日本における磁器生産に大きな役割を果たしたのが、肥前有田(佐賀県)です。17世紀初頭、この地で日本初の磁器が作られました。肥前で作られた磁器は、積み出し港の名にちなんで、伊万里焼と呼ばれました。
 白い素地に藍色の濃淡が美しい染付や鮮やかな色絵が施された磁器は人々を魅了し、17世紀半ばから18世紀半ばにかけては、オランダの東インド会社を通じて海外にも輸出されました。19世紀初頭には肥前を追随すべく瀬戸(愛知県)や京(京都府)など各地で磁器が焼かれるようになり、町人文化が全盛を迎えるなかで、様々なうつわが人々の暮らしを彩りました。
 明治に入ると、幕末から巻き起こったジャポニスムによって、日本の陶磁器は海外でも広く求められました。一方で、国内に向けた生産も引き続き行われ、釉下彩や銅版転写などの新たな装飾技術が導入されます。描かれるモチーフも、時々の流行に応じて変化し、斬新で大胆な構図や、風景を切り取った意匠が生み出され、文明開化による暮らしの変化をいち早く取り入れたものや、富国強兵政策を印象付けるものも作られました。
 赤木清士氏(1932-2019)は建設業を営む傍ら、神戸異人館街でランプと出会ったことをきっかけに、日本の灯火具や近代のものづくりと深くかかわる科学技術史資料の収集に情熱を注ぎます。1965(昭和40)年頃から収集を始めた陶磁器においても、鉄橋や電線が描かれた作品を特に愛好し、有田で作られた作品を中心に志田焼(佐賀県)や美濃焼(岐阜県)などを含む200点以上のコレクションを形成しました。
 本展では、氏が蒐集したコレクションを通して、江戸時代の古伊万里から、明治、そしてその後へと続く、うつわに描かれた図様の魅力を紹介します。バラエティーに富んだ意匠とともに、江戸から明治へと時代が移行していく当時の息吹も感じながらお楽しみいただければ幸いです。
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