トロンプルイユの現在(いま)2021展
展覧会情報
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開催期間
2021年4月17日 〜 2021年7月19日 まで
概要
「絵筆のアクロバット」を超えてトロンプルイユの現在(いま)2021 ― 展示にあたって
2019年に引続き、2回目のトロンプルイユ展を開催いたします。出品作家は前回の5名から、今回新規に3名の方々のご参加をいただき8名となり、それぞれのアプローチの面白さを味わっていただくとともに、志向する方向の共通点も浮び上って、「トロンプルイユの現在(いま)」をよりよくご理解いただけるものと思います。
「だまし絵」と訳されることの多いトロンプルイユですが、トロンプルイユは「だます」ことを主眼とせず、ただ額縁の中に別世界を構成する写実絵画とも違い、質感描写と遠近表現の追求を基本に、見る人の居る空間とつながっているかのような絵画空間を現出させます。トロンプルイユには、絵画の伝統を踏まえた高度な制作技法が必要なのです。
しかし、高度な技巧をアクロバチックに誇示するだけでは、作品に嫌みが増すばかりです。当館のメインコレクション作家である岩田榮吉は、トロンプルイユとは「絵として非常に良いものを作ろうとした」結果でなくてはならないと語っています。2019年の前回に引続き、「絵筆のアクロバット」を超える様々な取組みをお楽しみいただければ幸いです。