世界の巨人に挑んだ器たち西浦焼—加納COLLECTION—
展覧会情報
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開催期間
2021年4月24日 〜 2021年8月29日 まで
概要
凛と頭をもたげた一輪の芥子の花。アメリカのルックウッド製陶所は、1905年の雑誌の広告に、こんな代表作品を掲載しました。一方、同じような雰囲気をまとった作品が、日本の西浦焼にもみられます。
明治期、日本政府は殖産興業を推進し、万国博覧会に美術品を出品することを奨励していました。そんななか、日本の技術者は、ルックウッドなど当時世界をリードする、それまでの日本にはなかった美しいやきものを目の当たりにします。
「こうした作品を作りたい!」という強い思いが芽生えたに違いありません。
ルックウッドは1880年(明治13)に、アメリカのオハイオ州シンシナティに、地元の名士ニコルズ夫人により設立されました。そして、設立当時、社に招かれた日本人技術者、白山谷喜太郎(しろやまたにきたろう)が優れた作品を作り、その基礎を築きました。このすぐれた技術はルックウッド製陶所内で見本とされましたが、同じように作れる技術者はなかなかいなかったといいます。
本展では、加納氏から寄託を受けている加納コレクションの展示企画完結編として、世界の名窯、窯業界の巨人ともいえるルックウッドやロイヤル・コペンハーゲンの作品を中心に、西浦焼と対峙させて展示します。世界の陶磁器会社の動向をひもときながら、巨人に挑んでいった西浦焼の姿をお楽しみください。