黒田大スケ未然のライシテ、どげざの目線

展覧会情報

黒田大スケ未然のライシテ、どげざの目線
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開催期間

2021年2月20日 〜 2021年4月4日 まで

概要

Co-program2020カテゴリーB 採択企画
公共の彫刻(人物像)にお供え物や服を着せるといった人格をみる感覚は、いったいどこから来たのか?

京都市内の公共彫刻の霊性を視覚化し、取り出そうとする黒田大スケの試みを紹介する展覧会を開催します。

Co-programカテゴリーBでは、アーティストと京都芸術センターが共に展覧会を企画しています。今年度は黒田大スケと共同で、展示『未然のライシテ、どげざの目線』を開催します。

日本において銅像をはじめとする公共彫刻は、ただの彫刻というよりも、その像のモデルとなった人物と同一視されたり、あるいは服を着せられ食事を供えられたりと、しばしば人格を持った人間のように扱われます。ごく自然な振る舞いとして日常の中に溶け込んでいるこうした感覚は何処からやってきたのでしょうか?

本展では、京都市内にある有名な公共彫刻の霊性をあらゆる実験的芸術的アプローチによって視覚化し認識の上で引き剥がし取り除くことで、彫刻をただの彫刻と捉え直そうとする、美術家、黒田大スケの試みを紹介します。

黒田は歴史、環境、身体の間にある「幽霊」のように目に見えないが認識されているものをテーマに活動する美術家で、これまで芸術祭などでの大掛かりなインスタレーションやビデオ作品の制作、アーティストコレクティブ「チームやめよう」の主宰など多岐に亘り活動してきました。2017年に韓国の仁川の自由公園でマッカーサーの銅像を見て以来、自身の制作の基礎となっている「彫刻」について省みるようになり、1930年代の東京美術学校彫刻科への留学生に関するリサーチと制作をスタートし、東アジアに亡霊の如く横たわる近代的な彫刻概念を明らかにする事に取り組んできました。
今回の展示では、銅像そのものや銅像の下敷きになった者の視線を取り出すために、銅像の身体をカメラに見立てた「カメラオブスタチュー」を制作し京都の街の風景を撮影したり、イタコのごとく自身の身体から「彫刻」を取り除こうとするパフォーマンスなどユニークな手法で制作された作品を発表します。

本展を通して、近代以降の「彫刻」のあまり省みられなかった歴史を紐解き、その成り立ちと像の持つ意味について再考し、これからの彫刻表現のあり方や芸術と公共の関係性について考えていく場を作り出すことを目指します。


※本展は京都市内に設置されている近代公共彫刻の持つ視線や視点を探るものです。本展タイトルは高山彦九郎皇居望拝之像が通称「土下座像」と親しまれていることにちなんだもので、正式な像の作品名や像が設置された社会背景などが広く知られないままあることをテーマにしているため、あえて通称をタイトルに用いています。
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