御大典記念よみがえる正倉院宝物—再現模造にみる天平の技—
展覧会情報
開催期間
2021年2月9日 〜 2021年3月28日 まで
概要
正倉院宝物とは、奈良・東大寺の倉であった正倉院正倉に伝えられた約9000件におよぶ品々です。聖武天皇ゆかりの品をはじめ、その多くが奈良時代の作で、調度品、楽器、遊戯具、武器・武具、文房具、仏具、文書、染織品など多彩な分野にわたります。中には、西域や唐からもたらされた国際色豊かな品々も含まれるなど、当時の東西交流もうかがい知ることができます。しかし、約1300年を経て今日にいたる正倉院宝物は、極めて脆弱であるため、毎年秋に奈良で開催される「正倉院展」で一部が展覧される以外はほとんど公開されてきませんでした。明治時代に宝物の修理と一体の事業として始められた模造製作は、昭和47年(1972)から宮内庁正倉院事務所によって、宝物の材料や技法、構造の忠実な再現に重点をおいて行われるようになります。以来、人間国宝ら伝統技術保持者の熟練の技と、最新の調査・研究成果との融合により、芸術性・学術性の高い優れた作品が数多く生み出されてきました。これらは単なる再現模造ではなく、究極の伝統工芸品といえます。
本展では、これまでに製作された数百点におよぶ正倉院宝物の再現模造作品の中から、選りすぐりの逸品を紹介します。再現された天平の美と技に触れていただくとともに、日本の伝統技術を継承することの意義も感じていただけると思います。
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