特集展示蒐集家・高島唯峰—明治期考古学の遺産—
展覧会情報
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開催期間
2021年1月13日 〜 2021年3月22日 まで
概要
明治時代、日本の考古学はまだ古物趣味や珍品目当ての蒐集などと未分化な状態にありました。高島多米治ためじ(1866-1960、号:唯峰)は、そんな時代に関東地方を中心に採集活動を行った人物です。高島は東京銀座で歯科医を営むかたわら、縄文時代の貝塚出土品を収集・蒐集することに熱中していました。時には東北地方にまで足を運んでいたようです。いまとなっては彼が集めた出土品の正確な数を知ることは難しくなってしまいましたが、およそ1万点に届くとみられます。現在、そのうちの約7千点が大阪歴史博物館に収められています。
なぜ高島が集めた関東や東北地方の蒐集品が大阪にあるのでしょうか。そこには滋賀県長浜市にあった鍾秀館しょうしゅうかん(下郷しもごう共済会)という大正時代の私立博物館が深くかかわっていました。
今回の展示は、高島が行った採集活動をその遺品から探るとともに、彼のコレクションがたどった経過、さらにはコレクション研究の現状を紹介するものです。