和(なごみ)のガラス—くらしを彩ったびいどろ、ぎやまん
展覧会情報
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開催期間
2020年10月3日 〜 2020年11月23日 まで
概要
現在の私たちが生活する中で、ごく当たり前の存在となっている「ガラス」。日本で本格的に製造が始まったのは17世紀半ば頃とされます。江戸時代のガラスは、“びいどろ”、“ぎやまん”と呼ばれ、当時輸入されていたヨーロッパ製のガラスや洋書を参考に発展していきました。職工たちは、限られた情報の中で製造にあたっていたにも関わらず、食席を飾る器、酒宴に花を添える盃、笄(こうがい)や櫛といった装身具や装飾品、室内を彩る調度品をはじめ、ヴァラエティ豊かなガラスを製造しています。“びいどろ”“ぎやまん”には、かたちにゆがみがあるもの、青色や黄色味を帯びた無色のガラス器も少なくありません。これらの和ガラスが持つ素朴で、自然な造形は、私たちの心を惹き付けるのです。
本展では、江戸時代から明治時代の人々のくらしを彩った160件の“びいどろ”“ぎやまん”をご紹介します。箱書きや文献資料を読み解くことで、当時の人々がどのようにガラスを味わい、楽しんでいたのかを浮き彫りにすることも目的の一つとしています。素朴さや穏やかさといった特色をもち、見るものを和(なご)ませる、和(わ)ガラスの魅力に触れる機会となれば幸いです。