テヲフル=ワシテカイテユク
展覧会情報
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開催期間
2020年9月12日 〜 2020年11月8日 まで
概要
1972年に25歳で夭折した山形県天童市の詩人・赤塚豊子。小児麻痺で手足の自由を失いながら、十代の終わりに詩と出会い、タイプライターで66編の作品を遺しました。死後、その詩は彼女の早すぎる死と才能を悼む人々によって愛唱され、詩集や詩論が出版されました。
本展〈テヲ フル〓〓ワシテ カイテユク〉では、書家の華雪が、山々に囲まれた豊子ゆかりの土地を訪ね、その遺稿とのコラボレーションを試みます。「ワタシハ ナゼ コンナアテモナイテガミヲ カイテイルノダロウ」(「テガミ」より)—行き場のない感情の出口を探すように、文字盤に打ち込んだ一文字一文字と向き合いながら、亡き詩人の心像に迫ります。
東京オリンピック・パラリンピック競技大会の延期、そして新型コロナウイルスのパンデミックにより、誰もが〈それ以前〉とは異なる日常を生きることになった2020年。半世紀前に、自室の小さな世界から生と死を見つめた豊子の日常が、いま静かによみがえります。