生誕250年記念 偉大なる無名画家 小泉斐
展覧会情報
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開催期間
2020年4月25日 〜 2020年6月15日 まで
概要
伊藤若冲、曽我蕭白、円山応挙、尾形光琳、狩野探幽――江戸時代に活躍した画家は、有名無名を問わず数えきれないほどいます。そのなかには、現代ではまだ無名ながら、作品や記録をたどっていくと、江戸絵画史のなかで無視できない、注目すべき画家もいます。下野国益子(栃木県益子町)出身の小泉斐(号檀山、1770~1854)もその一人です。小泉斐は明和7年に神官の家に生まれました。10代初め頃から日野商人の島﨑雲圃(1731~1805)のもとで絵を学び、後に黒羽藩(同県大田原市)の鎮国社で神官を務めながら精力的に絵を描きました。斐は鮎図の名人として当時から評判でしたが、そのほかにも下野になじみのある風景や神話画などを描き、さらには中国や西洋からもたらされた新しい技法にも挑戦しました。なかでも斐が富士山に登った際の過程を描いた作品は、谷文晁(1763~1840)らに影響を与えています。多岐にわたる斐の作品からは、下野という一地域に収まらない非凡な才能を感じさせます。
この展覧会は斐の生誕250年の節目を記念し、その足跡を追った回顧展です。斐の作品を中心に、師や弟子、親交のあった文化人らの関連資料をあわせて展示することで、下野が誇る偉大な無名画家の魅力を感じていただければ幸いです。