日本をゆさぶった翻訳—明治から現代まで

展覧会情報

日本をゆさぶった翻訳—明治から現代まで
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開催期間

2020年10月3日 〜 2020年12月19日 まで

概要

翻訳の文化形成に関わる力は大きい。それはいつの時代にも当てはまることだが、とくに未知の新しい他者である西洋的知見と遭遇した明治期には、われわれの想像を超える大きな役割を担った。物質文明から精神世界にいたるまで、翻訳行為は東西の言語共同体を「媒介」し、受けとめる側の発想の枠組みを組み替えるだけでなく、われわれが拠って立つシステムを映し出す鏡にもなっていたと思われる。

しかし、発信者のメッセージを受けとめるべきことばも概念も持ち合わせていなかった明治の翻訳者たちは、原文の意味するところそのままに再現すべくもなかった。洋の東西を跨ぐのは容易なことではなく、そこには彼らの時に大胆で時に繊細な悪戦苦闘の歴史が刻み込まれている。「翻訳」とは、閉じられた空間に攪乱と葛藤をもたらす媒介行為であり、問いと反問によって対話を巻き起こすパフォーマティブな実践ということができる。そうした翻訳営為を読み解くには、ことばの意味と運用にとどまらないメディアの情勢・ジャンルの記憶・政治的なイデオロギーに分け入らなければならない。

この展示では、明治から昭和に至る、翻訳をめぐる苦闘の歴史の一端を示している。
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