香のいろは—道具とたどる香文化
展覧会情報
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開催期間
2020年4月4日 〜 2020年5月31日 まで
概要
「香〈こう〉」という言葉は、「香道」や「香席」を連想させるため、敷居が高いイメージがあるかもしれません。しかし江戸時代の絵画には、寝屋〈ねや〉で寝そべりながら香を焚〈た〉いたり、髪の毛に香のかおりを移していたりする様子が描かれており、本来は生活の中で楽しむ日常に根差した文化であったことがわかります。香道具は、仏を供養〈くよう〉するための道具から、かおりを衣服や空間にくゆらせるための道具、数種の香木を聞き分けて遊ぶための道具まで、多彩に展開しています。これらは蒔絵などの技法で美しく飾られ、見るだけでも楽しいものですが、遊び方や道具の役割を理解することで香の魅力をさらに知ることができます。本展では、日本で花開いた香文化を、香道具の使い方を切り口として「いろは」から丁寧に紹介します。
また、本展では香の原料となる香木や香料も展示します。「名香〈めいこう〉」と呼ばれる香木は、先人たちによって集められ、大切に伝えられてきたものです。古〈いにしえ〉より親しまれてきたかおりに触れ、脈々と受けつがれてきた香文化を身近に感じていただきます。