そばちょこ衣装持ちの器

展覧会情報

そばちょこ衣装持ちの器

開催期間

2024年3月2日 〜 2024年7月16日 まで

概要

そば猪口とは、蕎麦のつけ汁を入れる容器として用いられてきた器です。元々は膳の上で料理を盛
る向付として使われてきましたが、江戸時代に蕎麦が流行した際に、つけ汁を入れる器として庶民の
間へ広く普及していきました。大阪日本民芸館で収蔵するそば猪口の多くは、古伊万里と呼ばれる
江戸時代の伊万里焼です。佐賀県の有田を中心に焼かれ、伊万里港から全国へ出荷されたことでこの
ように呼ばれました。

柳宗悦が自身の著作である『藍絵の猪口』の中で、「この猪口くらい衣装持ちは無いといえる」
と評したように、蕎麦猪口の魅力は、実に多彩な模様が描かれた点にあります。模様の種類は、植物、
動物、人物、風景、幾何学、文物などを基本に、複数の模様を組み合わせたり、ひとつの模様に工夫
を加えるなどして、数限りないバリエーションが生み出されました。これらは、器の胴体、口縁部、
見込み、底部と各所に施されており、とりわけ胴体や口縁部は彎曲面への描画となるため、職人達の
腕の見せ所でした。

当館が収蔵する古伊万里そば猪口は蒐集家の佐藤禎三氏より1979年に寄贈いただいたコレクション
です。本展では、3000点におよぶそば猪口コレクションより、約1000点をご覧いただきます。
小さな器いっぱいに描かれた豊かな意匠の世界をこの機会にぜひお楽しみください。
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