大巻伸嗣は、存在とは何かをテーマに制作活動を展開するアーティスト。空間全体をダイナミックに変容させ、観る人を異世界に誘うような幻想的なインスタレーション作品やパブリックアートを数多く手がけており、国内外で高い評価を得ている。弘前れんが倉庫美術館では、2023年4月15日から10月9日まで、東北地方初となる大巻の個展「大巻伸嗣ー地平線のゆくえ」を開催する。本展では、展覧会に先駆けて大巻が青森県内各地の風物や自然、信仰の形などを取材し、人々の声に耳を傾けるなかでたどり着いた死生観というテーマに基づいた新作インスタレーションを中心に紹介する。一枚の薄い布が大きく波打つように有機的に動く「Liminal Air Space-Time」のシリーズや、弘前の土地と人々の記憶が重なり合う「Echoes」シリーズなど、大巻の紡ぐ再生と創造の物語が新たな風景として広がる。