きれいな字—近代中国と日本の書—
展覧会情報
開催期間
2022年7月2日 〜 2022年9月4日 まで
概要
観峰館が収蔵している資料には、近代中国の官僚たちによって制作された書が多く含まれています。彼らに求められたのは、強烈な個性を表す文字を書くことではなく、誰にでも読める伝統的な「きれいな字」、すなわち字の形が整っていて、見る者にとって快く感じられるような書風の文字を書きこなすことでした。本展では、このような近代中国の「きれいな字」を中心に展示を構成し、現代の日本人にとっても親しみやすい書の作品を紹介します。中国で生まれ、育まれた「きれいな字」の伝統は、日本でも学ばれるものとなっています。そこで本展では、収蔵品の中から、近代日本の人々が中国の書に倣って書き上げた作品や、当時の人々が「きれいな字」の手本として用いた教科書なども、あわせて展示することといたしました。これらの作品を通して、現代に生きる私たちがどのような字を「きれいな字」と捉えているのか、見つめ直してみたいと思います。
今回の企画展では、第1部を「近代中国の書」、第2部を「日本の書」として、展示を構成いたしました。以上の展示を通して、字を「書く」機会の少なくなった現代の日本人に「書」や「習字」に親しむ機会を提供することが、本展の目的です。